| 1.構成アプリケーションについて OpenOffice.orgとMicrosoft Officeとの構成アプリケーションの違いについて解説します。 OpenOffice.orgをインストールすると、次の6つのサブメニューが表示されます。 1)Writer ……(ワープロ) 2)Calc ……(表計算) 3)Impress ……(プレゼンテーション) 4)Base ……(データベース) 5)Draw ……(図形描画) 6)Math ……(数式作成) このうち、WriterはWordに、CalcはExcelに、ImpressはPowerPointにあたります。このワープロ、表計算、プレゼンテーションの3ソフトは、Microsoft Officeのものに非常によく似ています。細かい部分での違いはありますが、ほぼ同等のソフトと言って良いでしょう。(このうちImpressは、今回のバージョンアップで互換性が大幅に向上しました。) ファイルの互換性もあります。それぞれ、Word、Excel、PowerPointで作成したファイルを、そのまま開くことができます。また、Word、Excel、PowerPointのファイル形式で保存することができます。 ここで一言注意を加えておきますと、ファイル形式がまったく同じなのではありません。この点を誤解する人がいますから注意してください。Writer、Calc、Impressそれぞれに、自身のファイル形式(拡張子は「.odt」「.ods」「.odp」)をもっています。 ファイルを開くときは、自動的にコンバータが起動します。したがって、変換作業などをすることなく読み込むことができます。また、ファイルの関連づけが設定してあれば、Word、Excel、PowerPointファイルをダブルクリックして、Writer、Calc、Impressを起動することもできます。しかし、これはあくまでも変換作業が自動で行われているということです。 逆に、Word、Excel、PowerPoint形式で保存するときは、ファイルの保存のダイアログでファイル形式を明示的に切り替える必要があります。そのまま保存しても、そのファイルをWord、Excel、PowerPointで開くことはできません。(「オプション」設定でデフォルトの保存ファイル形式を変更すれば、これが可能になります。) 参照 → ファイル形式の互換性(未作成) 参照 → ファイルの拡張子 Baseは、Accessにあたります。すごく大雑把に言えば、内容的にはほぼ同等(見方によっては、Access以上)です。しかし、上記の3ソフトのような互換性はありません。目的は同じで内容も似てはいますが、まったく別のものと考えた方が良いでしょう。 残念ながら、ファイルの互換性もありません。ただし、Windows版のBaseには「Accessドライバ」が付属しているので、これを介してAccessデータベースに接続することができます。(ODBCドライバやADOを使用して接続することもできます。) 参照 → Base から Accessデータベース に接続する 参照 → ODBCを使ってAccessデータベースに接続する この部分をまとめると、BaseはAccessに相当するデータベースソフトです。かなり近い機能を持っています。そしてAccessのデータベースに接続することができます。しかし、互換性はありません(たとえば、Accessで作成したフォームやレポートは使えません)。 Drawは、図形描画ツールです。内容的にはMicrosoft Officeに付属の図形描画機能を高機能にしたといった印象です。たとえば3D処理やレイヤーを使って図形を描画することができます。こういった部分はMicrosoftの図形描画機能を超えています。作成した図形は、Draw形式で保存するほか、さまざまなファイル形式でエクスポートできます。 今回のバージョンアップで、オートシェイプなどの内容がMicrosoft Officeの図形描画機能とほとんど同じになりました。したがって、図形描画部分に関しては、OpenOffice.orgはMicrosoft Officeを包括していると考えて良いでしょう。(残念ながら「図表ギャラリ」に相当する機能は搭載されませんでした。) Mathは、Microsoftの数式オブジェクト「Microsoft数式3.0」に相当します。ただし、独立したツールとして提供されていること、また、Microsoft数式がGUIを使った操作系なのに比べて、Mathはコマンドでの操作がベースになっていること、の2点で大きく違います。 私(松井幹彦)は数式作成機能をあまり使用しないのですが、パワーユーザーの評価としてはMathの方が高いようです。初心者向けのMicrosoft数式エディタに対して、上級者向けのMathと位置づけられるでしょう。 どちらもオブジェクトとして文書中に挿入できますので、Wordの中でMathを使うとか、Writerの中でMicrosoft数式を使うといった、変則の組み合わせも可能です(Word+Mathの組み合わせではインラインでの編集ができます)。 ここまで、OpenOffice.orgの側から構成アプリケーションを見てきましたが、Microsoft Officeの側からも見ておきましょう。 市販されているMicrosoft Office2003パッケージには、価格順に「Personal」「Standard」「Professional」の3種類のEditionがあります。違いは次のようになっています。
個人向けのPersonal、最小限のビジネス用途としてStandard、全部の組み合わせのProfessionalという位置づけです。 同じようにしてOpenOffice.orgを1エディションとして書き加えると次のようになります。
このように、OpenOffice.orgには、Outlook、Publisher、Home Style+に相当するものがありません。これらの機能を使いたい場合には、それぞれ別途に専用のソフトウエアを用意する必要があります。 以上、OpenOffice.orgの側から、そしてMicrosoft Officeの側から、アプリケーションの構成を比較してみました。最後に、構成アプリケーション以外の部分で重要なポイントを指摘しておきます。 ● マルチプラットフォーム対応 …… OpenOffice.orgは、Windows以外にLinuxなど複数のオペレーティングシステム(以下OS)に対応しています。それぞれのOSでまったく同じように使うことができます。作成したドキュメントを別のOSで表示した場合には、そのOS環境に合わせてフォントなどを自動的に置換して表示する機能が用意されています(ただし文字送りや行送りなどがずれる場合がある)。 ● PDFファイル作成機能 …… Writer、Calc、Impress、Draw、Mathで作成したドキュメントをPDF形式でアウトプットできます。Adobe Acrobat などのPDFファイル作成用アプリケーションを用意する必要がありません。 ● 複数マシンへのインストール …… インストール台数の制限がありません。手持ちのすべてのマシンにインストールすることができます。知人に配布することも自由にできるので、グループで同じ操作環境を簡単に構築できます。 ● ファイルの一括変換ツール …… OpenOffice.orgには、Microsoft Officeのファイルを一括変換する機能がついています。ただし、この機能は、Word→Writer、Excel→Calc、PowerPoint→Impressの片方向で、逆方向の一括変換はできません。 -------------------- 2005/10/29 松井幹彦
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