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トップ  >  Calc  >  「形式を選択して貼り付け」機能の違いについて
『形式を選択して貼り付け』

「形式を選択して貼り付け」機能の違いについて解説します。
「形式を選択して貼り付け」機能というのは、コピー&ペーストの際に利用する機能です。すべての情報を貼り付けるのではなく、希望した情報だけを貼り付けることができます。手順としては、ワークシート範囲を選択して「編集」−「コピー」コマンドを選択し、続いて貼り付け先のセルを選択して「編集」−「形式を選択して貼り付け」コマンドを実行します。次のようなダイアログが表示されます。画面01はExcel2007で、画面02がExcel2003、そして画面03がOpenOffice.org Calc3.0の画面です。
基本的な機能や使い方は同じはずですが、細かい部分はずいぶん違います。戸惑う人も多いことでしょう。




画面01
Excel2007の「形式を選択して貼り付け」ダイアログ




画面02
Excel2003の「形式を選択して貼り付け」ダイアログ




画面03
OpenOffice.org Calc3.0の「形式を選択して貼り付け」ダイアログ



※ 注意:ExcelもCalcも、コピーした内容(クリップボードの内容)によって表示されるダイアログが違ってきますが(たとえばブラウザの画面からデータをコピーした場合など)、ここでは同じアプリケーション内でワークシート上のデータをコピー&ペーストする場合の「形式を選択して貼り付け」機能に絞って説明しています。

(1)基本的な選択方法の違い

まず、上記の画面03を見てくださいる。初期状態が大きく違うことが分かります。Calcのダイアログでは、初期状態で「すべて挿入」がオンになっています。ということは「形式を選択して貼り付け」機能そのものがオフになっていると考えても良いでしょう。したがって、Calcで「形式を選択して貼り付け」機能を利用するときは、まず「すべて挿入」チェックボックスをオフにして、そのあとで希望のオプションを選択する必要があります。
画面04が、「すべて挿入」チェックボックスをオフにした様子です。これが、事実上のCalcの初期状態ということになりますので、以下の解説はこの画面を基準にして話を進めます。


画面04
Calc3.0の「形式を選択して貼り付け」ダイアログで「すべて挿入」をオフにする。



画面04を見て分かるように、Calcの貼り付け対象の選択は、チェックボックスをオンオフするようになっています。それに対してExcelは、オプションボタン(ラジオボタン)で切り替えます。
Excelの方法では、ひとつのボタンを選択すると、自動的に他のボタンはオフになります。それに対してCalcでは、複数の選択肢を組み合わせることが可能です。ちょっと考えるとCalcの方が便利そうですが、逆に見ると、選択のひとつずつをオンオフする必要があるので手間がかかります。このように、ExcelとCalcでは、形式を選択するときの手順が基本的に違いますから、注意してください。

それでは、具体的な選択項目の内容を詳しく解説していきましょう。まず、Excelの「形式を選択して貼り付け」機能について簡単に説明します。そのあとで、Calcの「形式を選択して貼り付け」機能を取り上げます。

(2)Excel2007で追加された機能

最初に、Excel2007で「形式を選択して貼り付け」機能がどのように変わったかを見ておきましょう。前掲の画面01と画面02を見比べてください。
画面デザインはずいぶん変わっていますが、項目として増えたのは「コピー元のテーマを使用してすべて貼り付け」 だけです。この「テーマ」というのは、Officeアプリケーションに共通の機能として、Microsoft Office2007で導入されたものです。「テーマ」の内容を反映させるかどうかの選択項目が追加されたわけです。


画面05 (参考)Excel2007の「テーマ」機能
Microsoft Office2007で共通機能としてテーマが導入された。色遣いやフォント設定をまとめて切り替えることができる。統一されたイメージでドキュメントを仕上げたいときに利用する。



ちなみに、「テーマ」機能は、OpenOffice.orgでも、初期のバージョン(1.x)に搭載されていました。しかし、その後のバージョンアップで廃止されています。OpenOffice.orgが先行して導入し、すでに廃止した機能を、Microsoft Officeが新たに搭載するという、非常に珍しいケースと言えます。この機能がOpenOffice.orgで廃止されたのは、ユーザーの支持が得られなかったということだと思います。新しく採用されたMicrosoft Office2007の「テーマ」機能、さて、どうなるでしょうか。興味深いところです。

(3)機能項目の一覧表で比較する

「形式を選択して貼り付け」機能に用意されているオプションを、一覧で比較したのが表01です。


表01 オプションを比較する



この表のように、「テーマを使用して」の部分を除けば、Excel2007の「形式を選択して貼り付け」機能は、Excel2003のものと変わりません。
では、Excel2003の「形式を選択して貼り付け」機能を基準にして、Calcのものと比較してみましょう。
最も大きな違いは、「値」が「数」「テキスト」「日付と時刻」の3種類に分かれているということです。そのため、これらのデータを区別して扱うことができます。この部分については、後ほど具体的な例を挙げて解説しましょう。
それ以外のぶぶんでExcelにあってCalcにかけているのは、「入力規則」「罫線を除くすべて」「列幅」「数式と数値の書式」「値と数値の書式」です。このうち「列幅」〜「値と数値の書式」は、Excelがバージョンアップを重ねる中で、ユーザーの要望を取り入れながら充実させてきた機能です。いずれのオプションも、ユーザーにとってはありがたい機能で、Calcにもぜひ欲しいと思います。

逆にCalcに装備されていてExcelにない機能は、「オブジェクト」と「セルの移動」グループの3項目です。 Excelにはこれらのオプションがないので、オブジェクトを個別に処理したり、あらかじめ範囲を挿入してから「形式を選択して貼り付け」を実行するう必要があります。
使い方にもよるので一概に言えませんが、これらの違いを総合的に判断すると、筆者はExcelの方が使いやすいように感じます。

(4)OpenOffice.orgCalcの「形式を選択して貼り付け」機能のポイント

さて、ExcelとCalcの最も大きなちがいである「値」が「数」「テキスト」「日付と時刻」の3種類に分かれているということについて、少し掘り下げて説明しましょう。Calcでは、これらのデータを区別して扱うことができ、Excelではまとめて扱うようになっているということです。一般的に「値」オプションは、数式を結果に置き換えるというようなケースで使います。私見ですが、これが最も頻度が高い「形式を選択して貼り付け」機能の使用法ではないかと思います。Calcの場合には、チェックボックスの操作回数が増えるので、煩雑な感じがします。
具体例として、数式の結果を貼り付けたいときの手順は次のようになります。一見すると分かりやすいようですが、けっこう複雑です。ダイアログの設定とその結果をじっくり比べてみてください。

【 VLOOKUP関数で参照した商品名と単価を貼り付ける 】


画面06
1.「納品データ」と「商品台帳」の2つの表が用意されています。
2.B列に入力されている「商品コード」をもとに、右側の「商品台帳」を参照して、「商品名」や「単価」を表示しています。




画面07
1.4月1日〜4月3日までの3行をコピーします。
2.この場所に、貼り付けます。「形式を選択して貼り付け」を選んでも、初期状態のままなら「すべて挿入」が選択されていますので、そのまま貼り付けを実行したのと同じです(画面03を参照してください)。




画面08
1.「すべて挿入」チェックボックスをオフにします。すると、「数」以外のチェックボックスがオンになった状態が表示されます。
2.これが、貼り付けの結果です。数値データの部分は貼り付けられませんでした。数式はそのまま貼り付けられましたから、VLOOKUP関数の結果は#N/Aエラーとなっています。




画面09
1.では「数式」のチェックボックスをオフにしてみましょう。つまり、「数」と「数式」がオフになった状態です。
2.この場合は、数式の結果である「テキスト」が貼り付けられました。「日付」データも、そのまま貼り付けがおこなわれています。




画面10
1.こんどは、「テキスト」「日付と時刻」「数式」をオフにして「数」だけをオンにしてみましょう。
2.「商品コード」と「単価」が貼り付けられています。この「単価」は、数式の結果が数値データとして貼り付けられているのです。



Calcの「形式を選択して貼り付け」機能の内容を理解していただけたでしょうか。Excelとの、この違いは、しっかり頭に入れておく必要があります。

(5)Excelの「空白セルを無視する」とCalcの「空白のセルをとばす」

これまで述べてきたような使い方の難しさはありますが、ほとんどのオプションは説明がなくても内容を想像できるでしょう。唯一、内容がわかりにくいのが「空白セルを無視する」というオプションです(Calcでは「空白のセルをとばす」と、名前が少し違いますが機能の内容は共通です)。
この機能を使ったことがない人も多いと思いますので、具体例を取り上げて説明しておきましょう。Calcの画面を使って解説します。

このチェックボックスをオンにすると、貼り付けをおこなうときに空白セルについては貼り付けがおこなわれません。たとえば、画面12のようになります。通常の貼り付け(画面11)と比較してください。


画面11 通常のコピー&ペースト
1.G3:I7の範囲をB3:D7の範囲に貼り付ける。
2.「すべて挿入」チェックボックスをオンにして……
3.「空白のセルをとばす」チェックボックスはオフのまま……
4.すでにデータが入力されている範囲に上書きコピーするときは、このような確認メッセージが表示される。
5.「はい」を選択して、貼り付けを実行する。
6.結果は、このようになる。空白セルの情報もそのままコピーされる。




画面12 「空白セルをとばす」チェックボックスをオンにしたコピー&ペースト
1.こんどは、「空白セルをとばす」チェックボックスをオンにして貼り付けを実行する。
2.結果は、このようになる。空白セルの部分は、情報がないものとして、とばしてペーストされる。



これはどんなときに使われるかというと、「更新データ」だけが記入されている表を上書きでコピーするような場合です。このオプションをオンにして貼り付けをおこなえば、常に最新状態の表を簡単に作成できることになります。

もう一つ例を挙げましょう。実は、この機能が威力を発揮するのは、「演算」オプションと組み合わせたときです。画面13〜画面14のようになります。


画面13 「演算」オプションを使った貼り付け
1.「演算」グループの「掛ける」オプションをオンにする。
2.「空白のセルをとばす」チェックボックスはオフにして貼り付けを実行する。
3.結果は、このようになる。空白セルの部分は、ゼロとして演算が実行される。




画面14 「空白のセルをとばす」チェックボックスはオンにして演算を実行する。
1.「演算」グループの「掛ける」オプションをオンにする。
2.こんどは、「空白のセルをとばす」チェックボックスもオンにする。
3.貼り付けを実行すると、このような結果が得られる。空白セルの部分は、演算が実行されずに、元の値が残っている。



このように、「演算」オプションと組み合わせた場合には、空白セルをゼロとして扱うかどうかの違いが出てきます。上記は「掛ける」の例で説明しましたが、「割る」の場合だと、結果がエラーとなりますから、このオプションが用意されていないばあいには、エラー回避のための面倒な作業が必要になります。 この機能のありがたみが分かります。

以上、「形式を選択して貼り付け」機能について見てきました。機能の違いが分かりにくい部分なので、参考にしていただければと思います。

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2009/03/26 松井幹彦

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