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トップ  >  OpenOffice.org 3.0 の新機能  >  ソルバー機能を比較する(その1)
「ソルバー」機能について解説します。

「ソルバー」というのは、最適値を求めるのを支援するツールです。「ゴールシーク」と似ていますが、「複数の‘変化させるセル’の組合せ」を求めることができます。そのとき、さまざまな制約条件を設定することができます。
ここでは、Calc3.0の新機能「ソルバー」について、2部構成で解説します。

第1部では、Excelの「ソルバー」と機能構成を比較します。同時に、Calcの旧バージョンで拡張機能として提供されていた「ソルバー」も取り上げましょう。
第2部では、実際にソルバー機能を使ってCalcとExcelで同じ問題を解いてみましょう。

では、まず第1部です。
ソルバー機能の位置づけの話からスタートします。

Excelでは、ソルバー機能は、アドインとして提供されています。Calcでも、旧バージョンでは拡張機能として提供されていましたが、今回のバージョンアップで標準機能として搭載されました。


Calcの新しいソルバーは、旧バージョンの拡張機能のソルバーと比べると、機能や操作性が向上しています。

画面01が新バージョンに標準機能として搭載されたソルバーです。

画面01
Calc3.0の新機能「ソルバー」
(赤枠はこのあと解説する部分です)




画面02が旧バージョンの拡張機能として提供されていたソルバーです。

画面02
旧バージョンのソルバー
(Calc2.4.1の拡張機能)




画面03は、Excel2007のソルバーです。「Excelのオプション」の「アドイン」タブにある「設定」ボタンで「ソルバー アドイン」をオンにすると利用することができるようになります。

画面03
Excelのソルバー




画面02と画面03はよく似ています。Calcの旧バージョンのソルバーは、このExcelのダイアログを踏襲したデザインになっている、ということがわかります。

では、比較作業に入ります。まず、画面01と画面02、すなわち、Calcの新ソルバーと旧ソルバーの違いを解説します。変更箇所は、3点あります。

(1)目標値に「値」オプションが追加された。
(2)「制約条件」の設定欄
(3)「保存」「読み込む」ボタンの廃止

この3点について、順番に説明していきましょう。

まず(1)です。「ターゲットセル」の目標値として「値」オプションが選択できるようになっています。画面03と比較すると、この部分は、Excelに追いついたといえます。

さらに、もう一度、画面01を見てください。値は、セル参照で設定することも可能です。つまり、この部分の使い勝手としては、新バージョンのCalcが、Excelを一気に追い抜いたといって良いでしょう。

続いて、(2)の「制約条件」の設定部分です。画面02のCalcの旧バージョンでは、次のような手順となります。

まず「追加」ボタンを押して「制約」ダイアログ(画面04)を呼び出します。そこで条件を設定し「OK」をクリックすると、制約条件のリストに追加されます。この手順を繰り返して、制約条件を設定します。

画面04
制約条件の追加(旧バージョン)




この部分をExcelと比べてみましょう。

Excelもまったく同じ手順です。画面03で「追加」ボタンをクリックすると、画面05の「制約条件の追加」ダイアログが表示されます。手順は、Calcの旧バージョンとまったく同じです。

画面05
Excelの「制約条件の追加」




どちらも、ひとつの制約条件を追加するたびに「制約」ダイアログの操作が必要です。実際に操作してみると、これは結構面倒な作業です。

Calcの新バージョンでは、その操作を「ソルバー」ダイアログの中で行うことができるように変更されています。「制約条件」グループとして入力ボックスが並んでいるので、ここで条件を直接入力することができます。

画面06
制約条件の追加(新バージョン)




この、新バージョンの操作は快適です。この違いは、とても大きく感じます。ソルバーの作業でいちばん手がかかるのが、制約条件を設定する部分です。ここをさまざまに変化させながらシミュレーションを行うのがソルバーの機能だといっても良いほど重要な部分なので、この機能改善は大きく評価できます。

続いて3番目の違いを見てみましょう。「保存」「読み込む」ボタンがなくなったことです。旧バージョンのCalcでは、「保存」ボタンで設定条件を保存しておき、「読み込む」ボタンで再表示させることができました。保存できるのは、1セットだけですが、それでもなかなか便利です。

ここもExcelと比べてみましょう。

Excelの「ソルバー」ダイアログには、「保存」ボタンがありません(画面03参照)。
しかし、Excelの場合には、設定した条件は、そのまま保持されていて、次回ファイルを開いて「ソルバー」ダイアログを開くと、前回の設定条件がそのまま表示されます。何もしなくても、前回の設定データを再利用することができるようになっています。

Calcの新バージョンでは、「保存」ボタンがなくなりました。
筆者は、てっきりExcelと同じように、前回の設定条件がそのまま保存されるようになったのだと思いました。しかし、試してみると、残念ながら設定条件は保存されません。単純に保存機能が廃止されているのです。したがって、毎回、新たに条件を入力しなくてはなりません。これは、結構つらいので、是非とも改善してほしいと思います。

さて、ここからは、新旧バージョンの比較から離れて、ExcelのソルバーとCalcのソルバーの違いを見ていきましょう。

Calcのソルバーには、いくつか課題があります。まず、オプション機能です。画面07がCalcのソルバーの「オプション」ダイアログです。そして、画面08がExcelの「ソルバー:オプション設定」ダイアログです。設定できる項目の内容がずいぶん違います。


画面07
Calc





画面08
Excel




Calcでは「ソルバーエンジン」をドロップダウンリストから選択できるようになっています。しかし、現在のところ、登録されているのは「OpenOffice.org Liner Solver」の1種類だけです。それに対してExcelは、非線形のモデルにも対応していることがわかります。
筆者は、数理計画問題についての専門知識はないので、これ以上の評価はできませんが、このオプション機能の差は大きいのではないかと思います。

Calcのソルバーのもう一つの課題は、「レポート」機能がないことです。Excelでソルバーを実行すると、結果の表示ダイアログに「レポート」リストボックスが表示され、「解答レポート」「感度レポート」「条件レポート」などを作成することができます。


画面09
Calc





画面10
Excel




実務では、これらのレポートをもとにして、「取引先との交渉によって制約条件をどのように変化させると効果的か」などの判断ができます。この違いは、とても大きいと思います。こういったレポート機能も、是非ほしいと感じます。

また、Excelでは、画面10で「シナリオの保存」ボタンをクリックすると、名前をつけてシナリオとして保存しておくことも可能です。この機能も、なかなか便利です。Calcも、ぜひ対応してほしいものです。


以上で、第1部の機能の解説を終了します。続いて第2部では、実際にソルバー機能を使って見ましょう。同じ問題を、ExcelのソルバーとCalcのソルバーで解き比べてみます。

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