家計簿(出納帳、経費帳)の作成

表計算ソフトを使う楽しみのひとつに、‘デザインに凝って自分だけの表を作成する’ということがあります。Calcを使って、自分にぴったりの、使いやすい家計簿を作成してみましょう。

作成する家計簿の紹介

完成した家計簿
 これが完成した家計簿です。「収入」金額と、「住居費」〜「その他」の10項目の支出金額を集計するようになっています。残高を確かめながら毎日の金額を記入していくだけで1ヶ月分の集計表ができあがります。この支出項目は、自分のライフスタイルに合わせて自由に置き換えてください。「家計簿」だけでなく、「出納帳」や「経費帳」としてビジネスやサークル活動にも幅広く応用できます。


構造のとても簡単な表ですから、表計算ソフトを使ったことがある人なら簡単に作成できると思います。いくつか工夫が加えてありますので、この表の使い方を説明しながら、それらの機能を紹介していきましょう。

使い方(1)  
左上の「3月分」と記入されているところに数字を入力すると記入月が切り替わります。たとえば「4」と入力してみましょう。


使い方(2)  
数字の入力を完了すると、自動的に「4月分」と表示が切り替わります。ここには「数の書式」と呼ぶ機能が設定されています。同時に、下側に表示されているカレンダーも4月分のものに置き換わります。


使い方(3)  
このカレンダーは、土曜日と日曜日を自動的に判断して色で表示します。また大の月と小の月も判断します。ここには、「条件付き書式設定」と呼ぶ機能が使われています。


金額の数値は、日付と費目がマトリックスになった部分に記入します。ここに数値を入力すると、縦横の集計金額と残高がその場で算出されます。入力した金額の数値はいつでも訂正できます。数値を訂正すれば、その場で即座に新しい結果に更新されます。このように、数値データの計算結果をリアルタイムに表示するのが、表計算ソフトのもっとも基本的な機能です。

使い方(4)  
費目ごとの金額は、1日単位の合計額で記入しますが、必要なら金額欄に「メモ」を記入しておくことができます。この写真のようなコメント記入欄がポップアップしますので、内訳などを自由に書き留めておくことができます。
ただし、この「コメント」機能については、以下の作成手順では特に解説しません。Calcの「挿入」メニューから「コメント」コマンドを選ぶと、簡単に使うことができます。わかりやすい機能なので、解説は省略しています。


Calcを使うと、集計した金額をグラフにして動きを見たり、目標値と比較して達成率を確かめたりするのも簡単にできます。それらの発展的な機能についても、ここでは取り上げません。このTipsとは別な機会に解説したいと思っています。

背景色の設定と項目名の入力

Calcの起動画面  
Calcを起動しましょう。この画面が表示されます。これが表計算ソフトの作業領域です。Calcでは「表」、一般には「ワークシート」と呼んでいます。「表」という呼び方は一般名詞と紛らわしいので、ここでは「ワークシート」と呼ぶことにします。

→ 表計算ソフトの基本操作を知りたい(詳細解説1)


範囲を選択しセルの背景色を設定する  
最初にセルの背景色を設定しておきます。A1セルからT50セルまでの範囲を選択し、「オブジェクトバー」の「背景」ボタンをクリックして「青灰色」を選びます。

→ 範囲選択の手順とオブジェクトバーの操作の詳細を知りたい(詳細解説2)


項目名を入力する  
項目名を記入していきましょう。E3セルから、「収入」「住居費」「光熱費」……と順番に記入していきます。項目名の入力が終わったら、フォントとフォントサイズを設定します。

→ 文字入力と文字サイズの設定について詳細を知りたい(詳細解説3)

→ Enterキーで入力を完了したときのアクティブセルの移動する方向を変更したい(詳細解説4)


文字列を回転する  
文字列を斜めに表示すると、列幅を狭くしても項目名がはみ出さずに表示できます。見た目も良いので、デザイン的にも効果的です。「書式」―「セル」コマンドで「セルの属性」ダイアログボックスを表示して、「配置」タブで設定します。

→ 文字列を斜めに配置する手順の詳細を知りたい(詳細解説5)


項目部分のセルに書式設定  
同時に、項目名部分の背景色や枠線、フォントの色なども設定しておきましょう。

→ 「背景色」「枠線」「フォント」設定操作の詳細を知りたい(詳細解説6)

→ オブジェクトバーを使って文字の書式を変更する手順を知りたい(詳細解説7)


列幅の調整  
列幅の調整は、[A] [B] [C]……と記入されている列番号の区切り線をドラッグします。このとき、あらかじめ複数の列を選択しておくといっぺんに列幅を揃えることができます。

→ 複数の列を選択する方法(詳細解説8)


 

数の書式をユーザー定義する

数の書式をユーザー定義する  
数の書式(表示形式)を使って「○月分」の表示を作成します。「セルの属性」ダイアログボックスの「数」タブで行います。初期設定では「数値」分類の「Standard」書式が選ばれていますので、「分類」リストから「ユーザー定義」を選び、「書式コード」ボックスに「0"月分"」と記入します。数字のゼロとダブルクォーテーションマークは半角で記入しましょう。

→ 文字データと数値データについての基礎知識(詳細解説9)

→ 数の書式設定の詳細手順を知りたい(詳細解説10)


フォントと文字サイズを設定する  
フォントと文字サイズを設定しましょう。ここでは「丸ゴシック」の「24ポイント」を設定します。セルの表示が「###」となるのは、データの表示幅が大きくなってセル幅を超えてしまったことを表しています。先ほど説明した方法を使ってセル幅を広げれば、「3月分」のデータが表示されます。

→ ワンタッチで最適な文字幅に設定する方法(詳細解説11)


 

DATE関数を使って日付データを作成する

関数オートパイロット(DATE関数)  
日付データは、C3セルに入力された数値を元にして、数式を使って作成します。「関数オートパイロット」を使って「DATE」関数を設定します。この写真のように設定してください。

→ 関数オートパイロットの呼び出しと操作方法(詳細解説12)

→ 実際にワークシート上をクリックしてセル座標を記入する方法(詳細解説13)


DATE関数を使った数式  
DATE関数を使った数式の作成作業が終了してダイアログボックスを閉じるとC5セルには「4月1日」と表示されます。この表示はC3セルに入力した数値に応じて変化することを確かめてください。このセルに設定してある数式の内容は数式バーで確かめることができます。

→ 数式についての基礎知識(詳細解説14)


 

日付データの計算処理

日付の計算
1日の日付が作成できたら、2日以降の日付を作成していきましょう。今度は、「関数オートパイロット」は使わずに、直接数式を作成します。C6セルに「=C5+1」という数式を記入します。これで2日目の日付が作成されます。

→ 日付連番について知りたい(詳細解説15)

→ 数式の作成手順を知りたい(詳細解説16)


フィルハンドルを使って連続コピー  
C6セルの右下に表示されているハンドルをドラッグして数式を下方向に連続コピーします。
C35セルまでドラッグしたらマウスのボタンを放します。この操作で、31日までの日付が簡単に作成できます。相対参照と呼ぶ機能を使って自動的に計算式が修正されます。

→ 連続コピーの具体的な操作手順を知りたい(詳細解説17)

→ 相対参照について知りたい(詳細解説18)


 

曜日付きの日付書式をユーザー定義する

日付書式をユーザー定義  
日付のセルに曜日も表示させましょう。「数の書式」機能を使って書式コードを編集します。「セルの属性」ダイアログボックスを表示して「数」タブで、「書式コード」テキストボックスに「M月D日(AAA)」と記入します。この写真のようになればOKです。書式コードを編集すると「分類」が自動的に「ユーザー設定」に切り替わります。

→ 日付書式作成の具体的な手順を知りたい(詳細解説19)

→ 書式コードの記号の意味を知りたい(詳細解説20)


元号を使った日付書式についての注意

現行バージョンのCalcには、元号を使った日付表示に不具合がでることがあります。ここでは使用しませんが、年の表示を使うときは西暦表示を使用することをおすすめします。 OpenOffice.org1.1.0で改善されました。

 

カレンダー部分の完成  
ダイアログボックスを閉じると、ユーザー設定した書式に基づいて、日付の表示が切り替わります。文字サイズを11ポイントに、配置を中央揃えに設定したらカレンダー部分が完了です。


 

土曜、日曜、翌月表示のための書式スタイルを作成する

小の月では翌月まで表示してしまう  
現在の状態では、小の月の場合に翌月まで日付が表示されてしまいます。たとえば2月にすると、3月3日までの日付が表示されてしまいます。これを修正しましょう。また、同時に土曜日と日曜日の日付を色分けして表示するようにしましょう。「条件付き書式設定」と呼ぶ機能を使います。

→ 画面を区切って離れた場所を同時に表示する方法(詳細解説21)


スタイルの新規作成  
事前準備として、「土曜日」用および「日曜日」用、そして小の月の「翌月表示」用の、都合3つの書式スタイルを作成しておく必要があります。「書式」―「スタイリストのカタログ」コマンドを選択し、セルスタイルを新規作成します。「スタイルのカタログ」ダイアログボックスの「新規作成」ボタンをクリックします。


翌月用のスタイルを作成  
「セルスタイル」ダイアログボックスが表示されますので、土曜の背景には「青8」を、日曜の背景には「明るいマゼンタ」を選びます。さらに「翌月」のセルスタイルを作ります。翌月のセルスタイルは、「背景」と「フォントの色」を両方とも「青灰色」に設定します。

→ スタイル設定の詳細手順を知りたい(詳細解説22)


 

「条件付き書式設定」を使って土日および小の月の処理をする

条件付き書式設定(コマンド)  
それでは準備が完了しました。「書式」―「条件付き書式設定」コマンドを選択します。このとき日付の入力されているセル範囲を選んでから作業を開始するようにしてください。そして、アクティブセルがどの位置にあるかも、あらかじめ確認しておいてください。

→ 範囲選択とアクティブセルの位置については、冒頭の詳細解説1を参照してください。


条件付き書式設定(ダイアログ)  
「条件付き書式設定」ダイアログボックスが表示されます。条件月書式設定機能では「条件1」「条件2」「条件3」の3種類の条件を設定して書式を切り替えることが可能です。まず条件1に該当するかが判定され、条件1に該当しないときに条件2→条件3と順番に判定されます。
このダイアログボックスを使って、3つの条件を右のように設定します。EOMONTH関数を使って月末の日付を調べ、WEEKDAY関数で曜日を調べます。EOMONTH関数の引数は絶対参照で、WEEKDAY関数の引数は相対参照で記入されていることに注目してください。それぞれの条件に対応するセルスタイルを設定したら完了です。

→ 条件付き書式設定の操作手順を知りたい(詳細解説23)


条件付き書式設定が完成  
条件付き書式設定が完了しダイアログボックスを閉じると、土曜日は背景が青色で、日曜日は背景がマゼンタで表示されます。また小の月の場合には、月末以降の日付が表示されなくなります。月を切り替えて表示がうまくいくか確かめてみましょう。


 

合計金額と残高金額の計算

計算式の設定に移ります。準備作業としてC4セルに「前月より」、C37セルに「合計」と記入し文字サイズや配置を整えておきましょう。

支出合計の計算  
計算式の設定は「支出計」からはじめましょう。P5セルを選択して、数式バーの「オートSUM」ボタンを使って数式を入力します。設定した数式は、セルの右下のハンドルをドラッグして、下方向に連続コピーします。

→ オートSUMを使って合計を算出する数式を設定する手順(詳細解説24)


残高の計算  
残高を計算しましょう。Q5セルに「=Q4+E5-P5」の数式を記入します。セル参照の部分は実際のセルをクリックして記入するようにすると、間違いがありません。この式も、先ほどと同様の操作で下方向に連続コピーします。


費目合計の計算  
縦の合計(費目ごとの合計)も同様にして作成します。オートSUM機能を使って数式を記入し、右方向へ連続コピーします。

→ 残高と縦計作成の具体的な手順を知りたい(詳細解説25)


 

3Dのデザインを設定して家計簿が完成!

3桁カンマの設定
 金額欄を見やすくするために3桁カンマを設定しましょう。金額を表示する範囲(E4:Q37)を選択して「書式」―「セル」コマンドで「セルの属性」ダイアログボックスを表示します。「分類」リストから「数値」を選び、「千単位の桁区切り」チェックボックスをオンにします。


3Dデザインの作成  
最後に3Dのデザインを設定したら完了です。3Dのデザインは、家計簿の集計表全体を凸型にして、金額の記入部分(残高と費目金額)を凹型に窪ませることにします。「セルの属性」ダイアログボックスで、「灰色40%」の枠線を上側と左側に設定し、白色の枠線を右側と下側に設定します。これで窪んだデザインができあがります

→ 3Dデザインを作成する具体的な手順を知りたい(詳細解説26)


3Dデザインの完成  
同じ手順で費目金額の領域も凹型のデザインを設定します。範囲が広いときは枠線を太めにした方が自然な印象になります。最後に集計表の全体を凸型にデザインします。先ほどと逆に上側と左側に白色の枠線を、右側と下側に灰色の枠線を設定します。


→ サンプルデータをダウンロードする

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制作者:松井幹彦

更新日: ,2004/12/12 05:03