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○一般ユーザーのためのオープンソース

 オープンソースは、コンピュータをもっと良い物にするのに役立ちます。これは、一般ユーザーにとっても、大きなメリットをもたらします。


◎フリーソフトとオープンソースの違い

 無料で自由に使えるプログラムというと、パソコンの一般ユーザーは、無料で使える「フリーソフト」や「フリーウェア」を思い浮かべるでしょう。この言葉は、無料ソフトの代名詞としてすっかり定着してしまいました。
 また、インターネットでダウンロードできる「オンラインソフト」も有名ですね。継続的に使用する場合に料金を払う「シェアウェア」というのもあります。また、フリーソフトでオンラインソフトというのも、たくさん存在します。
 でも、オープンソースソフトウェアは、これとはずいぶん違います。フリーソフトもシェアウェアも、ソースコードは公開されるとは限りません。これに対して、オープンソースでは、必ずソースコードが公開されています。
 オープンソースソフトウェアは、無料で自由にダウンロードできますから、フリーソフトでもあり、オンラインソフトでもあります。でも、その根本の発想は違います。

 

◎オープンソースで開発が進む

 オープンソースでソースコードが公開されていると、開発者本人が改良できなくても、誰か別の人が手を付けられます。オープンソースで公開されているということは、他の人の改良を奨励しているという意思表示でもあります。改良版を配布しても構いませんから、改良者は、自分の作業を無駄にすることがありません。
 すでにプログラムが改良されているなら、オリジナルのプログラムと改良版を統合するのも、決して難しくはありません。そんな開発者が集まれば、プログラムのバージョンアップだって、組織的に進むでしょう。
 一般に開発コミュニティでは、ソースコードの改良が奨励されます。ユーザーが、「あの機能が欲しい」「この機能が便利だと思う」と言うだけでは、プログラムは良い物になっていきません。その機能を誰かがソースコードに盛り込むことが必要だからです。そして、改良版のソースコードがひとたび採用されたら、その人の名前は永遠に記録に残されるのです。


◎オープンソースは無料?

 オープンソースの配布条件は、「自由に再配布できる」と決められているだけです。
 つまり、無料でも良いし、有料でも良いのです。オープンソースのソフトウェアは配布に際して手数料を取っても構いません。手数料はいくらでも構いませんが、高すぎれば、他の人から入手するでしょう。買った相手がそれを再配布しても良いからです。
 現在、オープンソースでソフトウェアを開発している企業がたくさん存在します。このような企業は、ソフトウェアの販売ではなく、有償サポートで利益を上げる場合が多いようです。また、他のプラットフォームへの移植を有償で請け負う企業や、自社で利用するプログラムをオープンソース化する企業もあります(*3-1)。
 オープンソースで開発すると言うことは、プログラマが無償で働くと言うことではありません。オープンソースのソフトウェアを販売している会社は、プログラマに給料を払って開発に参加させています。その成果でソフトウェアが良い物になれば、さらに販売がのびるからです。
 もちろん、腕に覚えのある人が無償で働く場合もあるでしょう。でも、そんな優秀なプログラマなら、世界中から求人が殺到するはずです。


◎一般ユーザーにとってのオープンソース

 では、一般のユーザーにとってオープンソースはどんなメリットがあるのでしょう。

・自由に使える
・コミュニティで開発が進み高性能になる > 安心して使える
・無料で入手可能

 ソースコードが公開されないソフトウェアの場合は、その情報を独占している人の状況に縛られることになります。それが企業なら、もしかしたら、来年はライセンス料を値上げされるかも知れません。突然倒産してサポートを受けられなくなるかも知れません。でも、オープンソースになっていれば、ソースコードが公開されています。だから、誰かが改良できます。問題があれば調べることもできます。オープンソースは、ソフトウェアを情報の独占から解放する手段なのです。
 一般のユーザーにとっても安心ですね。
 もちろん、ソフトウェアが無料で入手できるというのも大きな魅力です。
 ただし、サポートは有料かも知れません。
 できるだけお金をかけずにサポートを受けたいなら、一番良いのは、あなたがサポートする側に回ることでしょう。安定してサポートが受けられれば、もっとたくさんの人が使うようになって、さらに安心して使えるようになるはずです。
 プログラムを改良するのは、誰でもできることではありません。でも、質問に答えたり、情報を整理するのなら、あなたにもできることがあるはずです。
 サポートする人が存在すれば、さらに多くの人が安心してオープンソースソフトウェアを使えるようになるでしょう。たくさんの人が集まれば、問題を調べたり、質問に答えるのも、それほど手間ではありません。インターネットを介すれば、大した費用をかけずにユーザーをサポートできるはずです。例えば、OpenOffice.org日本ユーザー会が、そういう存在です(*3-2)。
 

◎ソースコードがあってのオープンソース

 一般のパソコンユーザーにとって、本当に欲しいのは無料のバイナリーコードでしょう。そして、そのプログラムが自由に使えて高性能なら言うことはありません。ですから、ソースコードが公開されるかどうかは、あまり気にならないと思います。
 でも、そのプログラムの質を高めるためには、ソースコードは欠かせない存在です。あなたが、質の高いプログラムを自由に使いたいなら、ソースコードの公開にこだわるべきです。オープンソースになっていれば、そのプログラムはさらに進化する可能性を秘めているからです。
 それに、もうひとつ理解して欲しいことがあります。
 オープンソースにおいては、ユーザーが「あの機能が欲しい」「この機能が便利だと思う」と言うだけでは、プログラムは良い物になっていきません。その機能を誰かがソースコードに盛り込むことが必要だからです。開発コミュニティは、オープンソースソフトウェアをそんなふうに進化させるために存在しています。
 あなたにも、このコミュニティに貢献できることはないでしょうか。もちろん、誰でもプログラムを作れるわけではありません。でも、オープンソースソフトウェアを良くするために、あなたにも手伝って欲しいのです。

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